韓国の美容師免許・実技試験について

韓国で美容師免許を取得する場合は、【筆記試験】と【実技試験】の両方に合格する必要があります。

実際には、まず筆記試験を受験して合格したら次に実技試験という順番になっています。

韓国では、美容師試験といってもいくつかの専門的な分野に分かれているのですが今回は【美容師一般】の実技試験について書いていきます。

美容師一般・実技試験

実技試験は大きく5つの項目でそれぞれ実技を行います。

  1. シャンプー
  2. カット
  3. ドライ
  4. パーマ
  5. カラー

この5つのブロックでそれぞれ課題が出されます。

シャンプー

シャンプーの課題時間は35分です。

シャンプーは、試験当日もそれぞれモデルさんを用意して、実際にシャンプーをします。

モデルさんの髪の長さは、ネープから5cm以上の長さ(ショートスタイルは不可)と決まっています。

使用するシャンプー台は、バックシャンプー台で通常のシャンプーの他にスケリングもセットで試験を行います。

スケリングは綿棒で頭皮を洗浄する技術ですが一度覚えてしまえば、それほど難しくないです。

シャンプーの実技試験は、シャンプーの技術に慣れている人であればそれほど難しくないと思います。

手際や泡の流し残しなどがないように気をつけて行えば大丈夫です。

カット

カットの課題時間は、35分です。

カットの課題は4種類あり、どのヘアスタイルが選ばれるか当日に発表されます。

カットの課題はこの4種類です。

  • スパニエル
  • イサドラ
  • グラデーション
  • レイヤー

どれも基本のカットですよね。

初心者はある程度練習が必要ですが、経験者であれば数回練習すればできるカットです!

カットは手順や正確さが大事なので早く終わりすぎたり、途中で何度も切り直したりすると減点になることが多いそうです。

ドライ

ドライの課題時間は、35分です。

ドライはカットの課題と連動しているため、カットで当日発表されたスタイルによって仕上げ方が異なります。

基本的には、カットの試験で切ったヘアスタイルを乾かして最後仕上げのスタイルを作ることになります。

カットの課題ごとのドライの仕上げはこちらになります。

(カットの課題が)スパニエルの場合→インカール

(カットの課題が)イサドラの場合→アウトカール

(カットの課題が)グラデーションの場合→インカール

(カットの課題が)レイヤーの場合→ローラー

この仕上げは、ローラー以外は日本の試験にはないものなのである程度練習が必要です。

インカールとアウトカールはロールブラシとドライヤーでしっかりと形をつけます。

パーマ

パーマの課題時間は、35分です。

パーマは、2種類の課題のワインディングがあり、当日にどちらになるか発表されます。

  • オールパーパス(基本型)
  • Sライン(混合型)

課題では、基本型と混合型があります。

日本の国家試験の課題にあるのは、基本型のオールパーパスなので韓国の試験を受ける場合はS字型の練習も必要になります。基本の巻き方ができれば、混合型の巻き方はそんなに難しくはないですよ。

時間制限においては、韓国の試験ではブロッキングも含めて35分あります。日本でオールパーパスの試験は20分の制限時間だったのでその時よりは少し余裕を持って作業できると思います。

カラー

カラーの課題時間は、25分です。

カラーの試験は、ヘアピースを使って行います。

そして使用するカラー剤は、ヘアマニキュア(酸性カラー剤)です。

課題は、毛束をオレンジ・緑・ムラサキのどれか一色に染めるというものですが、どの色に染めるかは当日発表になります。

その場でマニキュアを混合して、ヘアピースを染毛。

5つの分野の中で、最も簡単な分野だと言われています。

チェックすること

実技の試験では、服装や髪型などの身なりや作業中の姿勢なども評価の対象になります。

(白衣を着用して、髪の毛はすっきりまとめておく必要があります。)

また厚化粧も印象が良くないためナチュラルなメイクで試験に臨みます。

作業中の姿勢は、筆記試験でもあったように肩幅に足を開き、目線で作業をするようにします。

試験はまわりの人と比較して評価されるので、一人だけすごく早く終わったりするのも良くないそうですよ。

また作品の仕上がりも両隣と比較されることが多く、まわりの人のレベルによって評価のレベルが変わることもあるそうです。

(試験の時に、まわりに上手な人が多いと不利という事になります…)

実技試験について

韓国の実技試験は、カットやパーマの課題が当日発表なので当日まで全部の課題を練習しておかなければいけません。

日本は事前にパーマの課題が発表されるので、そこが大きな違いだと思います。

ただ、時間に関しては韓国のテストのほうが制限時間が長いので少し余裕を持って取り組めるのではないかと思います。

また日本の国家試験は年に2回ですが、韓国では毎月行われているので一度落ちてもまた次回という感じで比較的すぐに再チャレンジすることができます。

そのため、ある程度技術が時間内にできるようになったらどんどん試験を受ける人が多いようです。

また、実技試験にあたり外国人受験者は、ある程度の韓国語能力も必要になります。

実技試験は全て韓国語での進行なので、専門用語や簡単な聞き取りは身につけておきましょう。

まとめ

日本の実技の試験と異なることが結構多いので、独学での勉強は難しいかもしれません。

日本の免許を持っている人は(基礎的なところは同じなので)技術に関してはそれほど難しくないと思いますが、ワインディングやスケーリングなど日本の試験ではない課題もあるので新たに練習が必要だと思います。

サロンワークをしながら準備や練習ができるのであれば別ですが、わたしは自宅のみでの独学では難しかったので実技試験に向けて塾に通いました。

韓国では美容師試験に向けて、課題を教えてもらえるような塾があるのでそういったところに通うと比較的スムーズに実技試験の準備ができると思います。

今回は実技試験の内容についてまとめてみました。

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